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ストラスブール|アルザス陶器を生んだ、フランス文化とドイツ文化が融合する国際都市

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世界遺産の街とクリスマスマーケット

ストラスブールはフランス北西部アルザス地方に位置し、パリからはTGVで約2時間半。アルザス地方の中心都市として栄え、また観光も盛んな非常に美しい街です。アルザスの伝統家屋を残したプティット・フランス地区は、ユネスコ世界遺産に登録されています。

出典:Office de tourisme de Strasbourg et sa région(世界遺産の街)

イル川の中洲であるその旧市街(グランド・イル)の中には、中世期の建物がいくつも残っており、ノートル・ダム大聖堂(カテドラル)もその一つです。この街の象徴でもあるこの大聖堂は 尖塔までの高さが142メートルを誇り、19世紀まではヨーロッパで最も高い宗教建造物でした。ロマネスク調の影響も受けたゴシック様式のその建物は、荘厳で圧巻です。

出典:Office de tourisme de Strasbourg et sa région(ノートルダム大聖堂)

ストラスブールのもう一つの有名なものが、マルシェ・ド・ノエル(クリスマス市)です。1570年にはじまったとされるフランス最古のそれは、街全体が華やかで独特の雰囲気に包まれます。市街中心地では100以上のクリスマススタンドが立ち、ノートル・ダム大聖堂前には、スケートリンク場、教会からは音楽が聴こえてきます。そんな中で見る、アルザス地方の伝統工芸品や銘菓はまた格別、おとぎ話の中にいるようです。

出典:Office de tourisme de Strasbourg et sa région(クリスマスのストラスブール)

ストラスブールの鳥、シュバシコウ(和名:赤いクチバシのコウノトリ)もまたこの街の象徴的存在で、街のありこちで可愛らしい看板を見かけます。「シュバシコウが住む家には幸運が訪れる」といういい伝えがあり、絶滅危機の野生のシュバシコウの飼育センターがあり、観光スポットの一つとなっています。

出典:Patrimoine de vivant de la France(コウノトリの看板)

 

歴史に翻弄された街から国際都市へ

古くから交通の要塞として繁栄した街、ストラスブール。そしてストラスブールを含むアルザス地方は国境の重要な地域として常にフランス・ドイツ間の係争の場所として、幾度となく帰属する国が変わるという、歴史に翻弄されてきた街でもあります。

古くはローマ帝国時代、ローマ人が都市を築き、アルゲントラトゥムと呼ばれ、ローマ帝国が分裂する前の357年には、ユリアヌス帝が率いるローマ軍が、ゲルマン人を打ち破り、束の間の平和を実現した戦いの舞台ともなりました。ローマ帝国分裂後の東ローマ帝国(神聖ローマ帝国)の時代には、毛織物業、交通の要所として大いに発展します。

1618-48年にかけて、神聖ローマ帝国内のプロテスタントとカソリックの抗争をきっかけに広がった国際戦争である30年戦争で、フランスがアルザス・ロレーヌ地方を獲得してからは、現在のようにストラスブールと呼ばれるようになりました。

その後、普仏戦争、第一次世界大戦、第二次世界大戦と次々に帰属が変わったこの要地は、現在では、「ヨーロッパの歴史を象徴する街」として、欧州評議会(人権・民主主義・法の支配の確立を目指す機関)や欧州議会(EUの議会)など、欧州の主要な国際機関がおかれています。

出典:France.fr (欧州議会)

 

アルザス陶器で有名なふたつの村: ベッチドルフとスフレンハイム

王侯貴族向けに格調高い陶磁器を中心に製造されたフランス北部・パリ近郊のヴァンセンヌセーブルとは異なり、アルザス地方で作られた陶器は、素朴な暖かさを感じさせ、フランスののどかな地方での生活を思い起こさせる優しい陶器です。そんなアルザス陶器の製造では、ストラスブールの北東部に位置するふたつの小さな村が有名です。

ひとつは、ベッチドルフ村(Betschdorf)。この村では、16世紀にドイツ人陶芸家がこの村へ移り住んだことで、ドイツ風の炻器(せっき)の製造で知られるようになりました。炻器は、陶器と磁器の中間的な性質をもつ焼き物で、英語ではStone Wareと言われるとおり、普通は釉薬や絵付けでの飾りつけは行わらず、石のような地肌の風合いが特徴ですが、ここベッチドルフ村の炻器は、製造中に塩水を噴霧して、灰色の器に青い釉薬をかけ、繊細で細かい装飾をつけことが特徴となっています。

出典: Wikipedia (ベッチドルフ焼き)

もう一つはの村は、スフレンハイム村(Soufflenheim)です。この村では、陶器づくりに適した土が産出されるということで古代から陶器づくりがおこわ慣れてきましたが、1142年には神聖ローマ帝国の皇帝フリードリヒ1世が、地元の陶器職人組合に対して、近くの森から粘土を産出する特権を与えたことで、陶器づくりで繁栄しました。

スフレンハイム村の陶器は、ベッチドルフ村のと陶器に比べるとよりカラフルで、また耐熱性に優れている為、世代から世代へと受け継がれてきました。伝統的な焼き菓子の型、クグロフの型の陶器やテリーヌ陶器などがあります。色鮮やかな陶器には、コウノトリの絵や花の絵などが描かれ、食事を明るく、楽しいものにしてくれるでしょう。

出典:Office de tourism de Soufflenheim (スフレンハイム焼)

100年ほど昔までは、日曜日には、女性たちは募って近くのブーランジェリー(パン屋)へ行き、パン焼きの終わったかまどでの余熱で、アルザス陶器を使って、お肉や野菜の煮込み料理(ベッコフ)を作っていたそうです。アルザス陶器は厚手でオーブンでの料理に適しています。

出典:Wikipedia (ベッコフ)

しかし、アルザス陶芸にも近年海外からの安い陶器が流入し、工場の閉鎖が続き、縮小傾向にあります。この歴史あるアルザス陶器がこれからも次の世代へと引き継がれるといいですね。

 

参考資料

Wikipedia

Office de tourisme de Strasbourg et sa région

Alsace Passion

France.fr

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