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ニュルンベルク|クリスマスマーケットと、世界最大のおもちゃ見本市で有名な職人の街

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高度な職人技が光る工芸品で栄えた「帝国自由都市」

ドイツ南部にあるニュルンベルク(Nürnberg)は、人口50万人を超え、バイエルン州では2番目に大きな都市で、州都ミュンヘン(München)からは特急で1時間。駅前はすぐに旧市街とアクセスも非常に便利であり、ドイツの中でも歴史あるクリスマスマーケットや、世界最大のおもちゃ見本市が開催されることでも有名です。

出典: depositphotos.com (ニュルンベルク)

現在のドイツ連邦のもととなったバイエルン王国やザクセン公国、現在のチェコ西部のボヘミア王国など、かつては神聖ローマ帝国の領邦国家として自治権をもっていた諸国の境界に位置し、重要な街道が交わる地点でもあったことから、ニュルンベルク城(カイザー・ブルク)は神聖ローマ帝国皇帝の拠点として重要視されてきました。

出典: depositphotos.com (ニュルンベルク城)

1219年以降は、帝国自由都市(地方領主の統治下ではなく、皇帝の直轄地として一定の自治権を認められた都市)として、市民文化が花開き、商人や手工業の職人たちが活躍しました。

現在、旧市街を囲む城壁にある南の入り口、ケーニヒ門をくぐったところには、中世の街並みを再現した「職人広場」があり、木組みの可愛らしい家々に設けられた工房で、職人たちが伝統工芸品を作るところを見たり、お土産を買うことができます。

出典: depositphotos.com (職人広場)

ニュルンベルクでは実にさまざまな手工業が発達しましたが、その中でもブリキ細工やおもちゃ、ステンドグラス、すず細工、金細工などは特に有名です。

ブリキ細工やおもちゃ作りの伝統から、今でもニュルンベルクでは毎年約100万点のおもちゃが出品される、世界最大のおもちゃ見本市が開かれています。また、旧市街にある「おもちゃ博物館」では、ドールハウスやブリキのおもちゃなどのアンティークから、レゴやバービー人形など現代のものまで、さまざまなおもちゃが展示されており、子どもから大人で楽しめるようになっています。

出典: nuernberg.de (おもちゃ博物館)

高度に完成されたステンドグラスの粋は、「職人広場」から中央広場に向かうケーニヒ通り沿いにある、聖ローレンツ教会でも見ることができます。聖ローレンツ教会は13世紀から建設されたゴシック教会で、聖セバルドゥス教会と並び、ニュルンベルクで重要な位置を占めてきました。第二次世界大戦でほぼ全壊しましたが、空襲前に安全な場所に避難させていたおかげで、ステンドグラスは今でも中世以来の美しく荘厳な姿をとどめています。

出典: depositphotos.com (聖ローレンツ教会)

 

ニュルンベルクのファイアンス焼き

ニュルンベルクにファイアンス焼き工房が設立されたのは、1712年のことです。それ以前にもニュルンベルクでは、繊細な絵付けがされたファイアンス焼きで有名でしたが、当時は金細工師やステンドグラス職人たちが副業として絵付けをしていただけで、器そのものはオランダのデルフトや、ドイツのハーナウで製造されていました。当時の作品として典型的なものは、家紋が入った皿で、婚姻の記念に注文され、客間や暖炉の上など、よく目立つところに飾られていたようです。

1710年に近郊のアンスバッハでもファイアンス焼き工房が設立されたのを受けて、1712年5月にニュルンベルクでも、クリストフ・マルクス、ハインリッヒ・ゴッドフリード・ハモン、ヨハン・コンラート・ロメディの三人により、ファイアンス工房が設立されました。

この3人は実は陶芸が専門ではなく、マルクスはすず職人、ハモンは金細工師、そしてロメディは商人でした。彼らは、水差しやジョッキ、甕などの仕上げ作業で、金属加工職人に仕事が増えると考えたのです。

ファイアンス焼きの指導者として、アンスバッハからヨハン・カスパー・リップが招かれました。けれどやがて、リップは釉薬や焼成の知識を全く持ち合わせていないことが判明し、1713年にはリップはニュルンベルクから逃走してしまいました。

そんなこんなで予想外の費用がかかり、最初の数年は経営が軌道にのらず、コストの問題から、あまり色を使わない白と青の器が主に製造されていました。後にはより豊かな色彩の作品も生まれるようになりましたが、その最盛期でも、ニュルンベルクのファイアンス焼きといえば、白と青で彩られた作品が代表作と見なされるようになりました。

出典: museen.nuernberg.de (水差し、1728)

出典: museen.nuernberg.de (風景画のプレート、1730-40年)

モチーフとしては、最初はデルフトなどの影響で中国風の風物が描かれていましたが、やがて聖書に題材を取ったものや各種の文様など、次第に多様になっていきました。絵付けの美しさとさまざまな形のバリエーションから、ニュルンベルクのファイアンス焼きは南ドイツで人気を博していきました。

出典: museen.nuernberg.de (アダムとイヴを描いた水差し、1730-40年)

しかし19世紀初頭頃からその人気に陰りが見え始め、ついに1840年には、工房の歴史の幕を下ろすことになります。

かつて工房があった場所には、今では世界最大のドイツ文化史コレクションを持つ、ゲルマン国立博物館が建っています。ニュルンベルクのファイアンス焼きの展示が充実しているので、ぜひ立ち寄ってみてください。

 

世界的に有名なクリスマスマーケットと「クリストキント」

旧市街にある中央広場では、毎年クリスマス前の約一ヶ月間、世界的に有名なクリスマスマーケットが開かれます。伝統的なクリスマスの飾りや手工芸品、またニュルンベルク名産のスパイシーなソーセージやクリスマスにかかせないお菓子、レープクーヘンなどを扱う木製の屋台が、広場にずらりと立ち並びます。

出典: depositphotos.com (クリスマスマーケット)

そして、ニュルンベルクのクリスマスマーケットの主役と言えば、幼い頃のキリストの姿をした「クリストキント(ChristusKind、幼いキリスト)」です。

天使のような金色の巻き毛と王冠を頭に抱き、翼のような金の衣装をまとったクリスト・キントは、ニュルンベルク在住の女の子から2年に一度、選出されます。毎年、中央広場にあるフラウエン教会のバルコニーに立ち、クリスマスマーケットの開催を宣言する姿が、ドイツ中の新聞に大きく掲載されます。

出典: christkindlesmarkt.de (クリストキント)

ニュルンベルクには、その他にもドイツを代表する画家、デューラーが後半生を過ごした家や、代々の神聖ローマ皇帝の居城であったニュルンベルク城(カイザー・ブルク)、ドイツ発の鉄道開通を記念した交通博物館など、見どころがたくさんあります。

 

参考資料

Stadt Nürnberg

Gemanisches Nationalmuseum

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