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ヴァロリス、アンティーブ|ピカソに愛された南フランスの陶器の街

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太陽を求めて南フランスへ

南の輝く太陽は多くの芸術家の心を奪ってきました。ゴッホやゴーギャン、マティスやシャガール、年間を通して温暖な気候の南フランスには、多くの芸術家たちが集まってきました。パブロ・ピカソ(Pablo Picasso、1881-1973)もそんな芸術家の一人です。

出典:Wikipedia(パブロ・ピカソ)

パリから南フランスの街へはTGV(高速特急)に乗って5、6時間、飛行機なら1時間ちょっとで行くことが出来ます。そんな南フランスの緑豊かな街ヴァロリス(Vallauris)へは、国際映画祭で有名なカンヌ(Cannes)から車で1時間ほどの距離にあります。

 

ピカソと陶芸

地中海沿岸の地域では古くから陶器が製造されていましたが、その中でも良質な土が取れることから名を馳せていたのが、ここヴァロリスです。しかしこのヴァロリスの陶器も衰退していた時期があります。

それを救ったのがピカソでした。ピカソは、第2次世界大戦の終戦も間もない1946年に、この街で毎年開催されている陶器市にやって来ました。そこで故郷のスペインを思い起こさせる、太陽のように色鮮やかなヴァロリスの陶器に魅せられ、ある窯に立ち寄り、そこで自ら土をこねて作品を制作します。

出典:Vallauris Golfe-Juan official site

その後、陶芸に魅せられたピカソは、この街にアトリエを構え1948年から1955年まで約7年間に亘って滞在し、陶器だけでなく絵画、彫刻などの制作にも励みました。1948年11月には、パリで開催された陶器の展覧会でも大成功を収めています。

ピカソがこの地を去った後も、ピカソが最初に陶器を作成したマドゥーラ窯(Madoura)では、ピカソの作品のレプリカを製作・販売する権利を持っていましたが、残念ながら現在レプリカは制作されておらず、窯はギャラリーとなっています。

またヴァロリスは、日本人陶芸家とも縁の深い街で、北大路魯山人や加藤唐九郎などは良質な土を求めてこの地を訪れており、現在、2年ごとに開催されている「ヴァロリス国際陶芸ビエンナーレ」という展示会には、日本からも作品が出品されています。

 

2つのピカソ美術館

ピカソが好きなら、そして陶器が好きなら、是非、2つの美術館を訪れることをおすすめします。

まずは、ヴァロリスにある「戦争と平和 国立ピカソ美術館」 (Musée National Picasso, La Guerre et La Paix)です。美術館の建物はヴァロリス城と呼ばれ、12世紀に建造された女子修道院を16世紀にルネサンス様式の城館に改築したもので、建物内にはピカソ美術館のほかに、「陶器美術館」、ピカソと同時代のイタリア人画家の「アルベルト・マネッリ(Alberto Magnelli)美術館」の3つが入っています。

出典:Wikipedia(ヴァリロス城)

また、この美術館に併設された礼拝堂には、ピカソが70歳の誕生日を祝福してくれた町の人々のために、1952年に描いた巨大な壁画「戦争と平和」があります。「戦争と平和」は、礼拝堂のアーチ状の壁面に描かれていて、「ゲルニカ」同様ピカソの平和への強い思いがあふれる作品となっています。左側の壁画は戦争の場面を、右側が平和な情景をあらわしているそうです。

出典:Vallauris Golfe-Juan official site(「戦争と平和」)

 

そしてもう1つの美術館は、ヴァロリスから車で30分程の海沿いの街、アンティーブ(Antibes)にある「ピカソ美術館」(Musée Picasso Antibes)です。

出典:Tourism ANTIBES JUAN-LES-PINS(ピカソ美術館・アンティーブ)

1946年夏、隣町に滞在していたピカソは大作を制作できるアトリエを探していました。するとアンティーブ市が、市の管理していた17世紀建物、グリマルディ城砦の1室を提供することを提案します。

ピカソがここに滞在したのはたった2か月でしたが、この地を去る時、ここで制作したほとんどの作品を残していきました。アンティーブ市はそれらを1947年から公開を始めました。

その後、ヴァロリスで作られた陶器作品やピカソの没後未亡人から寄贈された作品などが加わり、1966年世界で初めてピカソの名の付いた美術館がアンティーブに誕生したのです。

この美術館の陶器コレクションは他のどの「ピカソ美術館」よりも多く優れており、ピカソが実際にアトリエとして使っていた部屋の壁には、今でもピカソが作った皿が一面に飾られています。

出典:http://european-tableware.com/

 

参考資料

MMM(メゾン・デ・ミュゼ・デュ・モンド)

セラミックス スタジオ ラ・チェラミカ

Vallauris Golfe-Juan official site

Office de Tourisme d'Antibes

国立ピカソ美術館オフィシャル

Wikipedia

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