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ファエンツァ|マヨリカ陶器の代名詞ともなった、イタリア最大のマヨリカ焼きの製陶地

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ヨーロッパ中にマヨリカ焼きを広めた街

ビザンツ帝国(東ローマ帝国)の美術様式モザイク画で有名な古都ラヴェンナ(Ravenna)に近いファエンツァ(Faenza)は、イタリアのエミリア・ロマーニャ州(Emilia-Romagna)にある人口6万たらずの小都市です。ボローニャ(Bologna)から約60キロ、電車なら30分、ラベンナからは約40キロの距離です。

街の歴史はとても古く、古代ローマ人によって街は発展しました。街路樹に栗の木が植えられた美しい街で、1474年設計の大聖堂をはじめルネサンス様式の建物が現在も数多く残っています。

出典:depositphotos.com(ファエンツァ)

この小さな街を世界的に有名にしているのは、陶器。特にマヨリカ焼きをヨーロッパ中に広めたのはファエンツァの窯、陶工たちだったのです。街にはイタリア最大級の陶器コレクションを有する、世界有数の陶芸美術館「国際陶器博物館」 (Museo internazionale delle ceramiche in Faenza) があり、隔年で国際陶芸ビエンナーレが開かれています。

出典:Comune di Faenza (国際陶器博物館)

 

マヨリカ陶器の代名詞ファイアンス

アペニン山脈の東麓にあるファエンツァでは、近くの山から良質の白い陶土が豊富に取れたことから、12世紀には陶器の生産によって街の名前は知られていました。更に交易で非常に重要なエミリア街道の要所という地の利も手伝って、製陶業は急速に発展し、15世紀にはその製品がイタリア国外でも知られるようになり、15世紀末から16世紀初めにかけてはイタリア最大のマヨリカ製陶地として栄えていました。

ファエンツァのマヨリカ焼きにはイタリアの他の街には見られないほどの豊富なバリエーションが見られ、ファエンツァのマヨリカ焼きを見れば、イタリアのマヨリカ焼きの全てがわかると言っても過言ではありません。

他の街でマヨリカ焼きが盛んになる前の15世紀後半、ファエンツァでは既に非常にレベルの高い作品が生まれていました。中でもベレッティーノ(Bellettino)と呼ばれる下地に深みのある青や灰青色を用いた装飾が生まれたり、イストリア―ト(説話画)装飾を最初に手掛けたのもファエンツァの陶工だと言われています。

出典:Wikipedia(ファエンツァ製イストリアート装飾の陶器)

16世紀半ばになると、フアエンツァではさらに白を強調した新しい様式が誕生します。これは器の表面にまず灰色がかった白い釉薬を塗り、その上に鮮やかな白い絵の具を塗って厚みを出すもので、「ビアンコ・ソプラ・ビアンコ(Bianco sopra bianco、白の上の白という意味)」と呼ばれ、「ファエンツァの白」として名を馳せます。

さらにこの白を最大限に生かして、白い部分を極力残し、小さくて簡素な模様を描く「コンペンディアーリオ(compendiario)」というスタイルが誕生します。これはそれまで多色で陶器全面に装飾が描かれたイストリア―トなどに反発する様式で、装飾がシンプルな分、透かし彫りや網籠細工のような縁模様を入れるなど、形そのものに技巧を凝らしたのが特徴です。

出典:Maestri Maiolicari Faentini (ファエンツァの白)

中国の白磁にあこがれていたヨーロッパの人々は、白磁に比べると圧倒的な安さと、磁器とは一味違ったマヨリカ焼き独特の柔らかな仕上がりに魅了され、ファエンツァの陶器はあっという間にヨーロッパ各地に広がってゆきました。

現在でもフランスやドイツで使われている錫釉薬陶器を意味する「ファイアンス」はこのマヨリカ焼き、「ファエンツァの白(Bianco di Faenza)」に由来しています。伝統的な陶器作りは長年に渡って受け継がれ、現在も製陶業がこの街を支えています。

 

テッラコッタで焼いたエミリア・ロマーニャのソウルフード

イタリアで最も食いしん坊が多いと言われているのがエミリア・ロマーニャ州です。そのエミリア・ロマーニャ州で是非味わっていただきたいソウルフードがあります。最近日本でも専門店が出来ているようですが、本場のこだわりは半端ではありません!

「ピアディーナ(Piadina)」というパンというか、ピザというか。クレープの生地のような薄い生地に色々挟んで食べるのですが、この生地には専用のテリア(Teglia)というテッラコッタ(素焼き)の板を使うのが伝統的な作り方。(現在は鉄板が多いようです)これも陶器作りが盛んなこの地域ならでは?

出典:depositphotos.com(ピアディーナ)

「ピアディーナ」の起源はとても古く、この様な平たいパンは、古代ローマ時代から食べられていたようでが、1371年にはちゃんと「ピアディーナ」として文献に記録が残っています。

サラミや生ハム、グリル野菜や各種チーズなど中に挟む具の種類は非常に多いのですが、私のおすすめはなんと言っても、地元のスクアックエローネ(Squacquerone)というクリームチーズにルッコラという定番中の定番。チーズの甘みとルッコラに苦みが絶妙なおいしさ。生地の熱でチーズがとろ~と溶けるので注意してくださいね。

 

参考資料

すぐわかるヨーロッパ磁器の見かた、東京美術

Maestri Maiolicari Faentini

Wikipedia

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