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アルビッソラ・マリーナ|リヴィエラ海岸のコバルトブルーの陶器

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紺碧の海アルビッソラ・マリーナ(Albissola Marina)

「リヴィエラ(Riviera)」とはイタリア語で「海岸」という意味で、かつてはイタリアのサンレーモ(Sanremo)周辺の海岸のことを指していましたが、現在はフランスのコート・ダジュール(Côte d'Azur)をフレンチ・リヴィエラ、イタリアのリグーリア(Liguria)海岸をイタリアン・リヴィエラと呼び、世界中のひとがあこがれるリゾート地となっています。

イタリアン・リヴィエラの多くの海岸では、国際非営利団体の「国際環境教育基金(Foundation for Environmental Education)」が主催し、ヨーロッパを中心に世界約60カ国が参加するビーチ認証プログラムに基づく水質・環境検査によって、厳しい基準をクリアした透明度の高い美しい海に与えられる「BANDIERA BLUE(青い旗)」があちこちで見られます。

出典:FEE-ITALIA(イタリア国旗とバンディエラ・ブルー)

そのBANDIERA BLUEの称号を今年も獲得した街の中に、これからご紹介するアルビッソラ・マリーナ(Albissola Marina)があります。アルビッソラ・マリーナへはリグーリア州の州都ジェノバ(Genova)から車で1時間弱、電車だと1時間40分程です。フランスのニース(Nice)へも車で2時間の距離です。

出典:depositphotos.com(アルビッソラ・マリーナ)

 

コバルトブルーの陶器

1990年リグーリア州考古学監督局(Soprintendenza Archeologica della Liguria)がアルビッソラ・マリーナの街の中心に陶器を焼く窯の跡を発見したことで、この街では既に1400年代終わりごろ、2種類の陶器が作られていたことが分かりました。

1つはインゴッビオ(ingobbio)やグラフィート(graffito)と呼ばれる化粧掛けを施した焼き物で、一般庶民が使う地味なもの、そして、もう1つは地位が高い人が使っていたとされる洗練された「マヨリカ焼き」です。またほぼ同時代には、スペインやポルトガルの「アズレージョ(azulejo)」に似た、マヨリカ焼きの青いタイルの製作が盛んに行われていました。

コバルトブルーの現存する一番古い作品は、1554年にジョバンニ・ジャコモ・シャッカラマ(Giovanni Giacomo Sciaccarama)が描いたサン・ニコロ病院(Ospedale di San Nicolò)のために作られた作品です。

出典:musei.confartigianato.it(ジョバンニ・ジャコモ・シャッカラマ)

アルビッソラ・マリーナの陶工たちは、その後スペインやフランス、パルマ王国などへ移って行き、その技術を伝えました。

1569年には13の工房が有りましたが、1640年にはその数が23になり、マヨリカ製作の黄金期を迎え、陶芸は17世紀から18世紀におけるリグーリア地方の最も重要な産業になりました。装飾のモチーフには花や動物、船や帆船が描かれた海の風景が好んで選ばれたほか、伝統的な神話や聖書のエピソードなどが描かれています。

数ある陶芸工房の中でも、コラディ(Corradi)、グロッソ(Grosso)、レヴァンティノ(Levantino)などの一族がアルビッソラ・マリーナの陶工をけん引しました。中でもレヴァンティノ一族は人物を扱った小場面や廃墟、木々、田舎の家などの風景画を得意とし、19世紀初期まで窯を開いたアンドレア(Andrea)の手法を守って陶器の製作を続けていました。現在では、ロンドンの「ヴィクトリア&アルバート博物館」でも作品を見ることができます。

出典:Wikipedia(コラディ製)

出典:Wikipedia(レヴァンティーノ製)

その後陶器の製作が衰退していたアルビッソラ・マリーナを再生させたのは、未来派(Futrismo)の芸術家たちでした。彼らのおかげで現在もアルビッソラ・マリーナには世界中から陶工たちが集まっています。

 

黄金色の恵

ジェノバと言えばバジルソースのパスタ・ジェノベーゼが定番の伝統料理ですが、他にも是非現地に行ったら試して欲しいものがあります。

まずはこの地域のファストフードでもあり、伝統的な料理「チェチーナ(Cecina)」です。

イタリア語でチェーチ(Ceci)はひよこ豆のことで、ひよこ豆の粉に水とオリーブオイル、塩を加えて薄く焼いたもので、トルタ・ディ・チェーチ(torta di ceci、ひよこ豆のタルト)とか、ファリナータ(Farinata)とも呼ばれています。

作るのが簡単そうに見えますが、実際にはなかな難しく、料理人の友人でも「これは家で作るものではない。外で食べた方が良い」と言っていたくらいなので、是非現地で熱々を食べてみて下さい。素朴な味ですが、癖になるおいしさです。

出典:depositphotos.com(ファリナータ)

もう1つは幻のお酒とも言われる「シェケトラ(Sciacchetra)」です。これはリグーリア海岸沿いに位置する5つの村、チンクエ・テッレ(Cinque Terre)の断崖絶壁で作られたぶどうを使ったデザートワインで、生産数が非常に限られているので、現地に行ってもなかなか手に入らない、黄金に輝く希少なワインです。

出典:cantinadusciacchetra.it(シェケトラ)

 

参考資料

Associazione Italiana Città della Ceramica - AiCC

FEE-ITALIA

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